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February. 2025
「ワンオペシェフで日本贔屓のロドヴィコがやってるビストロがあるの。彼のお家でご飯食べているみたいな感じ。自転車で来られる距離よ。ちかこちゃん、一緒に行きましょう!」と二十代の時からわたしが憧れるミラノ生活の大先輩であり、その昔茶道の集中講座を共にミラノで受けていた仲間でもあるあきこさん。あきこさんは、ミラノにある大学で日本語を教えていらっしゃり、教え子達と食事をしに行くことも多いそうだ。「今ミラノでは、ビストロと呼ばれる美味しいワインがあっておしゃべりを楽しみながらお料理をシェアしてちょこっと食べられるところが人気よね!教え子達と行くのにもとってもいいのよ。」確かにイタリアでは通常レストランでは各自が一品ずつオーダーし、それをシェアする文化がないからこういう気軽なレストランは気心の知れた仲間と行きやすい。
Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)
通訳/クリエイター
大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。
Botoiは、フランスのビストロ、つまりパリのバール・ア・ヴァンにインスパイアされたレストランで、季節の食材を使ったリーズナブルな料理を、オーガニックワインや自然派ワインとともにシェアして楽しむことができる。 「やはりミラネーゼはパリっぽいおフランス的エッセンス好きなんだと思うの。トラットリアよりトレンディっぽい響きがあるじゃない?要するにトラットリアだとオステリアみたいにおじさんウエイターがいるイメージ、若いウエイターでもオールドスタイル系というか 。」こう語るあきこさんにわたしも思わず頷いてしまう。Botoiはわずか10席のミクロビストロで、1984年生まれのミラネーゼ、ロドヴィコ・ロッセッリがシェフ兼オーナー、ウェイター、皿洗い、ソムリエ全てをこなす、まさにワンオペのレストラン。2021年11月にポルタ・ヴェネツィア地区にオープンした。ロドヴィコは、家庭料理から多くのレシピを借りて、職人技をコンセプトとした、ディナーのみ営業する地域密着型のレストランを作り上げた。
ロドヴィコのストーリーは、面白い。彼は生物学者だが、卒業前にすべてを捨ててミラノの厨房で働き始めた。 専門課程はないが、現場での経験は豊富で、トラットリア・デル・ヌオヴォ・マチェッロのジョヴァンニ・トラヴェルソーネに弟子入りしたのを皮切りに、ブルガリに移った。その後まもなく、彼はポルタ・ロマーナに小さなトラットリアを開いたが、2020年1月のパンデミック開始直前に売却した。コロナ蔓延中に新しいレストランを研究し、考え、想像し、夢見ていたそうだ。
Botoiはまた、ヴェネツィアのbacaro(バカーロ)をどことなく彷彿とさせる。
「Botoiというのはヴェネツィアの言葉で、ヴェネツィアのラグーン北部にある島、サンエラスモでしか採れない自生のアーティチョーク(スローフード会長賞も受賞している)の一種で、私と妻はこの島が大好きなんです。私は、お店にヴェネツィアの言葉を選ぶことで、ヴェネツィアに対する私たちの情熱と、バカーロのような美食の特異性を覚えておきたかったのです。」とロドヴィコ。Botoiでは、すべてがとても気軽、良い意味でインフォーマルであり、リラックスした空気感があり、すぐにお客さんとつながるサービスから始まり、時には仕事の相乗効果や美しい友情が生まれることさえある。
料理は10品のみで、前菜、ファーストコース、セカンドコースの区別はなく、価格順に並んでいる。 純粋なイタリア料理でありながら、スパイスも使用しているが、基本野菜たっぷり、自家製生パスタ、魚たっぷり、肉少なめ。「私のメニューには厳格さはまったくもってなく、自由です。Botoiの料理は、私がメルカート(市場)で見つけたものや生産者が持ってきてくれたものによって頻繁に変わるんですよ。レストランにはほとんど食材をストックしていません。いつも早起きして買い物に行き、見つけた良質な食材からインスピレーションを受けてメニューを作るのです。ポルタ・ロマーナ市場やフリウリ通りの市場は、野菜やチーズ、羊の肉などの肉類がとても好みのものが見つかります。」ロドヴィコは、魚も青魚を中心に使ったりと最終的なお勘定に重くのしかからない食材を選ぶのがとても上手だ。
棚に並んだワインを見ていると「私は個人的に小規模生産者のボトルを選び、正確で慎重な農業哲学を持つワインを好みます。必ずしも自然派にこだわるわけではありませんが、しっかりと造られた品質の高いワインを選んでいます。Botoiのワインリストは、メニューとの相性を考えて、赤ワインよりも白ワインに重点を置いていて、北イタリアのものが多いですが、フランスのものもあり、ドイツのものも少しあります。」と自由さの中にこだわりを感じる。ワンオペゆえ、サービスする時にお客さんと直接会話を交わすので、客もシェフと直接話ができる場所。1人で大変なこともあると思うけれど、こういう血の通った、シェフの家でご馳走になっているような場所がずっと存在し続けてほしいと心から願う。
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