GIANNI LO GIUDICE from MILANO nudo.

今最も旬なミラノの情報をお届けいたします。

November. 2021

nudo.

通りがかりに看板が目に入り、「ヌード」とはいったいなんぞや？と近づいてみた。

商品の多くはパッケージが全くと言ってよいほどほとんど無く、必要最低限、「ヌード(まる裸)な状態の」商品を扱うお店。農学士の検査に通った厳選された有機農業とバイオダイナミック農法の商品のみを取り扱う食材店だ。環境の持続可能性、資源と生産プロセスの最適化、および仕事の倫理的ビジョンに関連する問題について、大手のオーガニック製品を取り扱うEcorNaturaSì、戦略コンサルティング会社であるHublab、および建築デザイン事務所Studio FrancescoFaccin間の相乗効果から今年の9月に誕生したばかりのプロジェクト、nudo.。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にてインターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

環境へ配慮されたプロジェクトであり、消費者、農家、生産者のための出会いの場として、地域のサービスの交流の機会を設け、人と地域のものとの関係を築いたり体験したい人を温かく迎えてくれる場所。今月半ばから1週間に渡って毎日さまざまな生産者をお店に迎えて、消費者と直接交流するプログラムが予定されており、今後も月に一度は必ずこういう機会を設けていく予定だと店長のノヴァルバが教えてくれた。ミラノ近郊(約20キロ圏)にある農家数軒より届く新鮮な生鮮野菜と果物達。全て量り売り。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

穀物、パスタ、お米、豆類、ナッツ類も量り売りのみ。自分が必要な分だけ買えるし、ディスペンサーの上に配置された紙袋に入れるのでそれ以外のパッケージのゴミも出ず、無駄がない。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

たまごも一個から購入可能で、パッケージは別売りとなっているので、一度買ったものを繰り返し使うか自分が持っている容器に入れて購入することができるのだ。

昨今オーガニック製品を取り扱うお店は増えたもののここまで徹底したお店を見たのは、初めてだ。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

nudo.は、完全なるプラスチックフリーを貫いている。売られている飲み物のほとんどがガラスボトル入りであり、500mlのミネラルウォーターは、缶入りのものを置いている。

WAMI(Water with a mission)というミネラルウォーターだが、こちらは一缶につき100リットルの水道水を世界中の水不足のコミュニティに寄付していることになっているそうだ。このミネラルウォーターはサスティナビリティに敏感に取り組んでいる2020年5月のFrom MILANOでご紹介したLi sei deliでも飲んだことがあるのだが、なんと缶に表示されたQRコードを読み取ると実際にどのファミリーに寄付されるかということが分かる仕組みになっている。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

昨今密かに発酵食品ブームであるミラノ。

腸内環境を整えて、免疫力を高め、健康体を作るという意識を持つ人々が増えた。

中でも写真のコンブチャ(紅茶キノコ)は、最近人気があり沢山のミラネーゼが飲んでいると言う。

「日本には沢山の発酵食品があるでしょ。日本と言えば、私は梅干しが大好きで、毎日必ず食べているの！」と興奮しながら語っていたノヴァルバ。イタリアでも特にミラノでは、健康食品志向の人が沢山いるようだが、パンデミック時代を生きる上で、健康に気を配り、サスティナビリティに気をつかう人々が今後益々増えていくだろう。このような状況下においてnudo.のようなお店もどんどん増えていくのではないだろうか。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター