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September. 2020
年に一回、週末にエスケープの旅を共にするママ友達がいる。一人はイタリア人のサーラ、もう一人はレバノン人とポルトガル人の両親を持つドイツ人のヌーラ。
日独伊三国同盟と称するこのトリオで旅をするのは、今年で4年目。ローマ、マラケシュ、私は参加できなかったヴェネツィアに続いて選んだ場所は、二月末からのロックダウンに続き長い夏休みを三人で総計八人の子供達と24時間体制で過ごしたそれぞれの心身を癒し、9月半ばの学校再開に備えようということで、ヨガリトリートと瞑想を体験できるMandali Retreat Center。
ミラノから一時間半ほどのところにあるマッジョーレ湖に隣接するオルタ湖を一望できる山の上にある小さな村の一角にあり、日常から離れてリラックスするのに最高のロケーションだ。
Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)
通訳/クリエイター
大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。
到着してまず目の前に広がる緑溢れる広い庭、そして静寂。聞こえるのは、敷地内に流れる水の音と鳥のさえずり。二人のオランダ人実業家が設立した Mandaliの施設で行われるヨガ、瞑想を中心としたアクティビティは全て英語で行われる。参加している人達は、オランダ人、イギリス人、ドイツ人、スイス人など。イタリア人は少数だ。イタリア国内にいながら外国に来たような気分になる。私達のように女友達同士での参加、カップルでの参加、中には3人の子供達のパパが一人で参加していたりと国籍のみならず老若男女問わず様々な人が参加していた。特に忙しない日常から離れて一人で参加している人達が多かった。静かに自分自身と向き合う時間が生まれることで心身が軽くなりリセットされる。最終日にはヌーラと口を揃えて「可能ならばもう一日いたい!」と言ったほど。
レセプションを抜けると食堂があり、窓越しに湖が見える。美しい景色に思わず感嘆の声をもらしてしまった私達。レセプションで、「ここでは静寂を重んじています。9時まではお話はしないようにそれぞれが静けさを堪能することで自分自身と向き合えるように。」と説明を受けたばかりだったので、声をあげてしまって皆慌てて口を押さえた。食堂を出ると湖を上から包み込むようなテラス。静かにみんなの顔に笑みが溢れた。ここに身を置くだけで身体がほぐれていくのを感じる。そして今週末はここで誰かが作ってくれた食事を食べられるのだと思うだけで、とても嬉しくなった。
部屋の扉を開けると寝室に入る前にプライベートテラスがあり、長椅子が置かれ、横たわると庭の景色を眺めることができる。ちょうど紅葉が始まって、とても綺麗だった。ゆったりとした作り。「Mandaliでは、我々人間達が心を込めて生きる美しい世界を持続させられるように責任を持ってサスティナビリティーへの取り組みのお手本になれるよう努めています。全てをリサイクルし、何一つ無駄にしないこと、ここを運営し始めた初日からこの使命を持って活動しています。」と環境への配慮が随所に見受けられる。建物には、再生木材や無害で環境に優しい素材を使っており、暖房システムは、石油燃料ではなく、天然の木材チップで。キッチンとプールは太陽光発電によって稼働しているそうだ。また、ここで生み出される余剰電力は、地域社会で利用できるようにローカルグリッドに送られているのだそうだ。美しい庭園を維持するために草を刈り取る工具は電動工具を用い、壁に沿う美しい蔦は、(写真2)は、庭師の手によって行われる。トイレットペーパーももちろん再生紙。(写真参照)再生紙なのに、全くもってガサガサせずソフトなのに驚いた。
食品に関するサスティナビリティーにも配慮し、最高に新鮮な地元の有機農産物のみを調達し、食品をなるべく捨てずにすむように、クリエイティブな食事づくりを心がけているそうだ。週末のエクスペリエンスは、1日が、まず瞑想で始まり、沈黙でいただく朝食、自由時間(散歩をしたり、プールやジャクジー、マッサージなど自分の好きなように過ごす)、ヨガ、昼食、自由時間、ヨガ、夕食そして就寝前の瞑想、という流れだ。ヨガは、初心者であっても全く問題ない。二つのクラスがあって、自分のその時の気分で選べるようになっている。食事は、朝昼晩とバラエティーに富んだ栄養バランスが考えられた多種類の献立。コロナでセルフサービスはできないので、一人一人が選んだものを目の前で丁寧にサーブしてくれる。ヴィーガン料理というと「物足りない食事なのでは?」というイメージの人も多いかと思うが、全くもってそんなことはなく、むしろ胃が心地よく満たされる。
どの時間も素晴らしかったのだが、私が気に入ったのは、オルタ湖を一望できるジャクジー(写真参照)と、瞑想の時間だ。コロナの影響で、ジャクジーの利用時間は、1時間と制限があるけれど、コロナのおかげで、一回に利用できる人数は最高4人まで。というわけで、私達だけでゆっくりと楽しむことができた。美しい景色を眺めながらのジャクジーで過ごす時間は、なんとも癒される。朝晩の瞑想の時間は、実に面白い体験をした。瞑想を進行するスコットランド人のピーターが囁くように語りかける中、目を閉じてただじっと座る、もしくは横になるのだが、最初は、彼の語り掛けを注意深く聞いているものの次第に頭の中に色々な思いが巡る。面白いもので、頭を空っぽにしてと言われてそうしようと思えば思うほど色々なことが頭をよぎるのだが、「今ここにいる」「グラウンディングして」「自分自身と繋がって」「判断をしないこと」「自分のハートで感じて」「直観」などのフレーズや言葉を繰り返し聞くうちに、あるときは、自分がとてもハッピーに感じた瞬間瞬間の映像が蘇ってきたり、滞在最後の瞑想では、今ここでこの素晴らしいロケーション、環境で瞑想ができることはなんてありがたいことなのだろうという感情が溢れてきた。そして、ここに仲良しの友人達と来られたこと、イタリアに住むことができたからこそ彼女達と出会えたこと、夫に出会ったからイタリアに住んでいるということ、という具合にどんどん私の人生を逆戻りし、最後には今この世に存在することができるのは両親のおかげだという感謝の気持ちが溢れたのだった。家族と離れてのママ達だけのつかの間の週末の旅。心身共にエネルギーを充電して新学期への準備は万端だ。ありがたい。
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