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September. 2024
毎年9月に夏休みから戻ったばかりのミラネーゼ達は、一年の中で一番キラキラ輝いていて美しいと思う。夏休み中、ゆったりと過ごして心身ともに休息をとり、リラックスしていることを彼等の日焼けした姿から感じるのだ。8月のミラノは、15日のFerragosto (フェッラゴスト)というイタリア全土で祝われる国民の祝日を中心に前後ほとんどのお店がお休みになり、ほぼ1ヶ月お休みをとるお店もある。この期間ミラノにいるミラネーゼ達はほぼいないと言っても過言ではない。
Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)
通訳/クリエイター
大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。
さて、Ferragosto とは、聖母マリアが天に昇った日であり、カトリック教徒にとって、ナターレ(クリスマス)、パスクア(イースター)同様にとても大切な祝日だ。ちなみに、Ferragostoという名前は、古代ローマ帝国のアウグストゥス帝が自身の誕生日にちなんで、制定したので、「フェッラゴスト(アウグストゥスの休日)」という名前になったそう。8月15日のこの祝日には、家族や親戚で集まり、食事を楽しんだり、実家に帰省をする人が多いのだが、夏休みのど真ん中であるため、旅行に出かける人も多い。ミラネーゼ達の多くは、海や山そして湖に別荘をファミリーで所有していて、別荘で家族でゆったりと過ごすスタイルが主流だったが、昨今は遠くへ旅をするイタリア人も増えている。
旅先は近場のヨーロッパのリゾート地から遠くはアジアまで。ここ数年は円安ユーロ高も伴って、日本を訪れるイタリア人の数が激増している。その他、タイ、インドネシアを訪れるイタリア人は後を断たない。どの国も観光だけではなく、ビーチなどリゾート地があることも大きな理由なのではないだろうか。 基本vacanza(ヴァカンツァ)は、その言葉の意味の通りほぼ何もせず、ゆっくり過ごすのがイタリア流なので、リゾート地でパラソルの下、日焼けに勤しみながら寝たり、読書をしたりというスタイルが一般的だ。 ちなみに写真のビーチは日本にあるのだが、(しかも本州)海外かと見まがうほど美しい。
個人的なエピソードになるが、今年の夏休みは、インドネシアのバリ島へ行った。至るところでイタリア語が聞こえ、日本では周りを気にせず普通にイタリア語でベラベラおしゃべりする娘達も遠慮がちに話していた。笑 イタリア人観光客達は、カトリックとは異なるバリ・ヒンドゥ文化に興味津々のようだった。日本で育ったわたしは、神道(宗教ではないけれど)と仏教が習合した信仰体系のもとに育ったのでバリ土着の信仰とインド仏教とヒンドゥー教が習合したバリ・ヒンドゥは考え方などにとても親近感を覚えた。
初めてのバリ島は、自然を求めてウブドとイーストバリに滞在した。そしてできるだけ土地の人と交流したいと思った。ただ寺院を巡るだけではなく、一般参拝客の入場時刻前に入って、朝のお祈りの儀式に参加するという体験をしたのだが、そこで個人的に案内してくださった現地の方のお話がとても心に響いた。わたし達がこの世に存在するのは、それぞれの両親のおかげだということそして全ての人やものごとなどに対して愛をもって接すること、それは皆それぞれが異なっているけれど、自分の見るものだけが一番正しいと思わず相手の見方を受け容れることだったり、とにかくこの世の根源は愛であることを繰り返し話されていたのだが、そのメッセージは、至って当たり前のことだけれどわたしにとっても地球に生きる我々皆にとっても必要なメッセージだとすぐに感じた。
イタリア人ならば二週間くらいかけて過ごすところを日本からバリ島へ行ったこともあり、一週間だけの滞在だったが、欲張り過ぎず豊富なアクティビティや体験をしつつも心身共にゆったりできるとても充実した時間を過ごすことができた。世の中には国ごとの国民性に加え同じ国に住む人々でさえさまざまなものの見方があって異なるのに、同国民や同じ組織、家族なら同じ考えや見方をして当然だとどこかで思ってしまう。ときに同じことを自分の身近な人に言われても気づかないことを異文化の人達によって気づかされたり。現地の人から話を聞き、異文化に触れる旅というものは実に私たちを豊かにしてくれると改めて感じた旅だった。
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