子供達の学校が夏休みに入ってすぐ、日本から来ていた母がかねてより訪れたいと言っていた地中海に浮かぶサルデーニャ島で数日間のバカンスを過ごした。そこで出会ったサスティナブルなスイムウェアブランド、KAMPOS(カンポス)。

KAMPOSは、2019年、私達が滞在したサルデーニャ島のコスタ・ズメラルダで、若いイタリア人起業家が中心となり、世界中から集まった友人たちによって誕生した。100％サスティナブルでリサイクル可能な素材を使用し、オールメイドインイタリーの高品質な製品を作っているラグジュアリーとサステナビリティが融合したブランドだ。

KAMPOSというブランド名は、地中海の深みから響く力強さと、ギリシャ語で「海の生き物」を意味するκάμποςに由来する。ロゴはタツノオトシゴ。プランホテル・ホスピタリティ・グループとミラノ・ビコッカ大学が2009年に立ち上げた、モルディブのサンゴ礁保全回復を目的としたイニシアチブ「サンゴ保全プロジェクト」の公式パートナーであり、半年に1000個の珊瑚をモルディブの海に植栽している。そして気候変動に関する研究をする生物学者達をサポートするスヴァルバル島のスポンサーとしての活動も行っている。KAMPOS製品を購入することで、売り上げの5%はこの２つのプロジェクトに使われるので、わたし達一人一人が海を救うというミッションに微量ながら貢献できるのだ。

乱獲や海洋汚染に対する意識を高めることを目的として、ペットボトルや漁網をリサイクルしたり、持続可能なオーガニック素材を使用しているKAMPOS。まだブランド設立から年数が浅いが、すでにイタリア国内に18店舗を構える。

コスタ・ズメラルダにあるラグジュアリーリゾートホテル、カーラ・ディ・ヴォルペ内にもショップがあり、ミラノのフォーシーズンズホテル内のブティックでも取り扱いがあるというように、まさにサスティナビリティーやクオリティに敏感なお客様が訪れる場所にKAMPOSあり。

レディース、メンズ以外にもキッズラインも。

ビーチバッグももちろん素材はサスティナブル。

コスタ・ズメラルダにあるポルトチェルヴォには高級ブランドのブティックが軒を連ねるエリアがあり、もちろんKAMPOSのブティックもあるのだが、店員のアンジェラのサスティナブルなこのブランドに対する熱意あるトークに引き込まれたわたし達。もっと詳しく話を聞けるようにとその場でブランドのファウンダーでありCEOのアレッサンドロ・ヴェルガーノ氏にまで電話をかけて繋いでくれた。

「自分が使ってみて実感もしているけれど、KAMPOSのスイムウェアのクオリティは本当に素晴らしいと思うの。海水にもプールの塩素にも耐性があるから長持ちするの。そして速乾性もあるから子供達のスイムウェアとしても完璧。デザイナーは、サルデーニャ出身のクラウディア・フィリゲッドゥで、彼女がサルデーニャの自然からインスピレーションを得て、色彩も細かに選んでいるの。オーガニックコットンやリネンで作られた水着の上に着るカフタンやシャツなどのリゾートウェアもあるわよ。ママにはカフタン、パパにはシャツをプレゼントしたらどうかしら…」という具合に早口でまくしたてるアンジェラだが、そこに彼女のブランド愛を感じて、押し付けがましさを一切感じない。

母の今は亡き友人が、母に目をキラキラさせながら、羨ましいと思ったことがほとんどない自分がそこに別荘を持つ友人のことをとても羨ましく思ったと母に語ったポルトチェルヴォの海。コスタ・ズメラルダという名の通りエメラルドグリーンの透き通った海での海水浴、そして灼熱の太陽のもと心地よく身体を撫でる海風は、ほんとうに最高だった。イタリア人達は、夏の間のバカンスを長い期間サルデーニャ島で過ごす人たちも多い。そしてボートに乗って海に繰り出し、みんなで楽しくご飯を食べたり、海水浴をしたり、日焼けをしたりゆったりとした時間を過ごすのだ。本当の意味でのバカンスを楽しむ。豊かだと思う。