from MILANO

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November. 2022

Ottica San Maurilio

夏の終わりにお気に入りの眼鏡屋さんを訪れた。

今までは他では見かけない珍しいデザインのサングラスを求めて訪れていたが、今回は初のOcchiali da lettura(老眼鏡と呼ぶのは少々憚れるが、直訳すれば「読む時に使う眼鏡」)を選びに。

From MILANOでも何度も取り上げている5 VIEエリアにある、Ottica San Maurilio。ベルエポック調の字体のロゴが老舗感への相乗効果をもたらし、アンティークの家具、そして暖炉がある空間は、特に寒い時期にお店を訪れると家の居間にいるような気分になり、私たちを暖かく迎えてくれる。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

この老舗の眼鏡屋さんは、ジョヴァンナ(中央)がスタートし、長年彼女の甥であるシモーネ(左)と共にそれぞれの得意とするアプローチでお客様にとってベストな眼鏡選びのサービスを提供し、近年はジョヴァンナが少しずつ退きつつ、シモーネを中心に若くて溌剌としたアレッシア(右)が常連のお客様方の相手をしている。

お客様の顔を見ただけで彼等は眼鏡をささっと選ぶのだが、印刷屋さんで使われていたアンティークの引き出しから彼等が取り出したその眼鏡をかけてみると、その後何種類もの眼鏡を試してみても結局最初に選んでもらったものが一番しっくりくるのが不思議だ。7年くらい前に私の父がしていたサングラスを見てはっきりと「貴方にそれは似合わない。」とジョヴァンナが言ったことを今でも覚えているのだが、その時に彼女が父に選んだレンズもフレームもブルーのそのサングラスを父はとても気に入り、他のサングラスはせず、そればかりかけていた。最近そのサングラスを失くしてしまった父の落胆ぶりは相当なものだった。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

度入りの眼鏡を作る際、お店で視力検査に使われるレンズ一式は、なんと1920年製のもの。今でもきちんと機能し、丁寧に手入れがされている。今回、私も初めてアームチェアに腰掛けて、この1920年製のレンズで視力を測ってもらったのだが、それだけでもワクワクした。いったいどれだけの人達の視力を測ってきたのだろうと思いを巡らして。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

Ottica San Maurilioを初めて訪れたのは、イタリア生活の大先輩であり、私が友人と2011年に立ち上げたブランドの商品の一つである眼鏡ホルダーへの大きなヒントをくださった方が連れて行ってくださったのだった。ジョヴァンナは、これまで旅で色々な地を訪れた経験があり、東洋や日本の文化にも興味があり、着物の生地のもつ色合いや質感やパターンにたちまち惹かれて、眼鏡ホルダーも置いてくださることになった。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

私が老眼鏡を作るようになるまでのお付き合いが続き、今回初の老眼鏡は是非ともOttica San Maurilioで!と強く心に決めていたのでとても嬉しい。私が選んだものはチタン製のポップな赤い眼鏡だが、今年に入って、石油由来では無い、オーガニックアセテート素材の眼鏡も導入したとのことで、いくつか見せてもらった。アメリカンデザインで日本製のアセテートで作られた眼鏡や、フランス製のオールハンドメイドの眼鏡(写真参照)。眼鏡業界にも今後エコフレンドリーな商品が増える予感だ。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

ちょっとした眼鏡の不具合にふらっと訪れる常連客の足も絶えない。いつ訪れてもお客様が必ず一人はいるOttica San Maurilio。丁寧な対応に皆居心地がよくておしゃべりに花が咲いてしまうようだ。特に常連のご年配の方は、自分の眼鏡を直してもらった後も他のお客様の相手を終えるまで、店内で待っていることも(笑)ご夫婦で来て、ご婦人が眼鏡を選ぶ姿を見ながらパートナーが「素敵だよ、とてもよく似合ってる。」と声をかけている姿は、イタリアらしいなあととても微笑ましい。初の老眼鏡を手にして、あまりにも気に入っているので、老眼鏡をつけることを皆に見せるのが恥ずかしいどころか、率先してつけたがっている自分がいるのに驚くが、それほどウキウキするモノに出合える場所だ。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。